お砂糖を知る

味つけの基本(きほん)「さしすせそ」 カップくん シュガーちゃん

味つけの 基本きほん「さしすせそ」

料理の「さしすせそ」なぜ味つけは「砂糖」から始まるんだろう?

味つけの 基本きほん「さしすせそ」

テンじい

シュガーちゃんは料理の味つけの基本きほん「さしすせそ」を知っているかね?

シュガーちゃん よろこび

調味料を入れる順番のことだよね。「さ」はお砂糖

テンじい

さすがシュガーちゃん、正解せいかいじゃ。では、なぜお砂糖から味つけをするかは知っているかね?

シュガーちゃん はてな

えっと・・・それは知らないわー。テンじい、どうしてなの?

テンじい

では、お砂糖から味つけする理由を説明しようかのう。

料理の「さしすせそ」とは

砂糖

料理の「さしすせそ」とは、日本の料理(とくに和食)に欠かせない調味料の頭文字で、味つけする順番を覚えるためのゴロ合わせ。 「さ」はお砂糖、「し」は塩、「す」はお、「せ」はしょうゆ(昔は「せうゆ」と書かれていた)、「そ」はみそのことです。 味つけの基本ルールを学べば、料理がもっとおいしく作れるようになりますよ。

味つけはどうしてお砂糖から?

味つけが「さしすせそ」の順番になっている理由は、それぞれの調味料の特ちょうに関係しています。

「さ」砂糖
お砂糖の分子の大きさは塩の分子にくらべて約6倍も大きく、食材にしみこみにくい。また、お砂糖には食材をやわらかくし、味をしみこみやすくするチカラを持っているので、1番最初に入れるのがオススメです。
「し」塩
塩はお砂糖と比べて分子が小さく、食材に早くしみこみやすい。また、食材から水分を外に出して引きしめる働きがあるので、塩を入れるタイミングはお砂糖を入れた後がよいでしょう。
「す」・「せ」しょうゆ・「そ」みそ
・しょうゆ・みそは、風味や香りを大切にしたい調味料。風味や香りは加熱時間が長いと失われてしまうので、できるだけ料理の最後のほうに加えると風味や香りを残すことができます。
カップくん はてな

なんで分子の大きさによって入れる順番が決まるのかなー?

テンじい

お砂糖を「石ころ」、塩を「砂」に例えて考えてみると分かりやすいかのう。

空っぽのバケツに大きな石をいっぱい入れた後でも細かい砂を隙間すきまにまんべんなく入れることができます。けれども、先に砂をいっぱい入れたバケツには大きな石は入りませんよね。

同じ原理で、分子の小さい塩を先に入れてしまうと、分子の大きいお砂糖が入りこむ隙間すきまがなくなってしまうということなのです。

シュガーちゃん よろこび

だから、塩よりも先にお砂糖を入れた方がちゃんと甘みをつけられるのね!よく分かったわ!

順番通りじゃなくても大丈夫

砂糖

調味料を入れる順番「さしすせそ」について説明しましたが、入れる順番を守らないと料理がまずくなってしまうわけではありません。

煮魚のように短い時間で味つけるものや、おでんのようにあらかじめ調味料をまぜて煮込む場合は、調味料を入れる順番にはこだわりません。

また、料理によってはお肉の臭みをとるためにを他の調味料よりも先にいれて煮込んだり、しょうゆの風味と香りをしっかり染みこませるために数回に分けていれたり、順番通りでないことはたくさんあります。

あくまでも「さしすせそ」は料理の基本として覚え、料理に合わせて味つけしていくことが大切です。

ここがポイント

日本では料理(とくに和食)の味つけの順番は「さしすせそ」のゴロ合わせで広く知られているよ。「さ」はお砂糖、「し」は塩、「す」は、「せ」はしょうゆ、「そ」はみそのこと。

味つけする順番にはそれぞれ理由があり、お砂糖から加えると食材にあまみをちゃんとしみこませることができ、後から入れる調味料もしみこみやすくなるよ

けれども、作る料理によっては「さしすせそ」とはちがう順番で味つけすることや、まぜ合わせた調味料でにこむ料理もあるので、料理に合わせて味つけの仕方を変えてみよう。

さらに詳しく

料理の味を決めるのは、調味料の使い分けも大切。お砂糖には風味や色合いがちがう種類が色々あるので、作る料理で使い分けて料理上手を目指そう! 他のページでお砂糖の種類やおすすめの使い方を紹介しょうかいしているから、ぜひチェックしてみてね。

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《参考文献》

石永正隆ほか(2007)『食品学・食品機能学』(テキスト食物と栄養学シリーズ3) 朝倉書店
医療情報科学研究所編(2019)『レビューブック管理栄養士2020』メディックメディア
橋本仁・高田明和編(2006) 『砂糖の科学』(シリーズ《食品の科学》) 朝倉書店
日高秀昌・岸原士郎・斎藤祥治編(2009)『砂糖の辞典』東京堂出版
文部科学省 スポーツ・青少年局学校健康教育課(平成23年3月)『調理場における衛生管理& 調理技術マニュアル』